2012年6月7日木曜日

AKB48に、学べ

Aま(1)AKBの総選挙の特番にいらしてください、とフジテレビでずっとお世話になっている朝倉千代子さんからお誘いいただいて、スケジュールが空いているので、だいじょうぶですとお返事した。朝倉さんからのお誘いは、時間が空いている限り、必ずお受けすることにしている。

Aま(2)そしたら、他の事とは全く違う反響があった。「すごい!」と素直な反応と、「AKBまで行くんですか」というような反応。後者については、「アイドルのことまで関わるなんて」という偏見のようなものを感じる。でも、ぼくには、AKBについて、素直に受け止める素地があった。

Aま(3)秋元康さんから、AKBが秋葉原の劇場で細々とやっている頃からお話を伺っていた。「秋葉原でやっているんですよ」「なかなかお客さん来なくて苦労しているけど、がんばってますよ」と秋元さんから聞いていて、その原点を知っているだけに、今日の大成功は夢のような感じがする。

Aま(4)武道館で行われた「じゃんけん大会」にやはりテレビの仕事でおじゃました時、じゃんけんという偶然に賭ける彼女たちの真剣さ、まっすぐさに打たれた。この一瞬、に向かった表情が、太陽そのもののような輝きを見せていたのである。「アイドル」と油断している人は、その光を見ているか。

Aま(5)ぼくは、AKBの顔と名前が一致しないおじさんだが、彼女たちが日本人の心を惹きつける理由はわかる。「総選挙」にも現れる、「ガチの勝負」のすさまじさ。言い訳は利かない。その人の吸引力のようなものが、ストレートに現れてしまう。今の日本に、そんな勝負がどこにあるか。

A8(6)Freakonomicsという本に書いてあるが、アメリカの選挙の結果は、どれだけお金を使ったかということとは関係のない、候補者の絶対的魅力のようなものがあるのだという。AKB総選挙も同じこと。努力は大切だが、どんなに積み重ねても、ダメな人はダメ。その「残酷なリアル」。

A8(7)「アイドル」のことと偏見を持っているような日本の社会の「まとも」の方が、よほどガチな努力をしていない。受験だって、家庭の経済力で塾や家庭教師の差がついて、本当はガチな勝負ではないと、みんなわかっている。既得権益のおじさんたちは、ふんぞり返ってサボっている。それが日本。

A8(8)AKB48から、学んだらいいんじゃないか。全力でぶつかって、ありったけを込めて、それでも、結果は残酷に現れる。そんな「ひたむきさの元素」のようなものを、彼女たちの総選挙や、じゃんけん大会から学んだらいいと思う。そろそろ、本気を出してもいいんじゃないか、日本。

Aま(9)生放送が始まる前、フジテレビの小松純也さんと話していた。NHKで『プロフェッショナル』を創った有吉伸人さん(@nobip14)と、京都大学の劇団そとばこまち時代の盟友。短い時間だったけど、プロが考えていることは凄いとしびれた。油断してはいけない。何よりも、生命の前では。