2011年10月9日日曜日

「本当の芸術家は、出荷する」ことについての連続ツイート

ほし(1)1984年の、初代Macintoshの発表会場のビデオを見ていると、スティーヴ・ジョブズがいかに魅力的な人だったかということが改めて伝 わってくる。Macintoshが、「ぼくの父親、ステーヴ・ジョブズを紹介します」としゃべった時の、彼の笑顔。たまらない。

ほし(2)スティーヴ・ジョブズの人間的磁力を伝える言葉として、「現実変容空間」(reality distortion zone)がある。その周囲にいると、現実が変容して見える。それくらいの人間的な魅力が、ジョブズ氏にはあったということ。その人柄自体が一つの作品 だった。

ほし(3)しかし、私たちの圧倒的多数にとっては、「ジョブズ氏」の存在を感じるきっかけは、数々のアップル製品だった。Macintosh, Macbook, iMac, iPhone, iPad。これらの製品は、ステーヴ・ジョブズという人の世界観、感性、美意識を反映していた。

ほし(4)Appleで、初代Macintoshの開発が進んでいた頃、ジョブズ氏が社内でしきりに言っていたと伝えられる言葉がある。「Real Artists Ship」(本当の芸術家は、出荷する)。ついつい開発が遅れ、予定日がずれそうになった時、ジョブズ氏はそう言って励ました。

ほし(5)「Real Artists Ship」(本当の芸術家は、出荷する)。どんなに素晴らしい考えがあっても、感性がすぐれていても、美意識が深くても、それが形になって世の中に出てい かなければ、伝わらない。だから、何としても、ブツを作って、出荷しなければならない。

ほし(6)夢や野望に満ちた若者が、自分自身に言い聞かすべき言葉は、たった一つ。「Real Artists Ship」(本当の芸術家は、出荷する)。いいわけは要らない。説明も要らない。ただ、ブツを出せばいい。そうすれば、その中に、必ずその人の人格は込め られている。

ほし(7)出荷するということは、夢が自分から離れて一人歩きをするということ。いちいち、人々の間を回って、「これはこういう意味なのです」と説明することはできない。自分が出荷した「ブツ」自体にしゃべらせるしかない。それが、本当の芸術家。

ほし(8)出荷することで、自分自身も自由になれる。その作品から、離れることができる。抱え込んでいると、いつまでも囚われてしまう。だから、出荷して、自由になって、また次の場所に行けばいい。出荷することで自分もまた旅を続けることができるのだ。

ほし(9)「Real Artists Ship」(本当の芸術家は、出荷する)。スティーヴ・ジョブズが、初代マッキントッシュの開発の段階で、この言葉を口にしていた。アップルが成功した秘 密、大切な鍵。抱え込んではいけない。言い訳をしてはいけない。本当の芸術家は、出荷する。

※ ここに掲載している内容は茂木健一郎さん(@kenichiromogi)のTwitterからの転載です。