2011年10月28日金曜日

「一秒で集中することが、武士道の伝統的な感覚につながる」ことの連続ツイート

いぶ(1)本日のクオリア日記にもあるように、子どもの頃、私は、二階の自分の部屋にいても、母親が「やっているわよ!」と叫ぶと瞬時に駆け下りて、テレ ビの蝶の映像を見ていた。まさに、戦闘機のスクランブル発進。なつかしいとともに、生命の時間について、いろいろなことを思う。

いぶ(2)そもそも、蝶を追いかけていると、瞬時に反応しなくてはならない。蝶は、360度サラウンド、どこから飛んでくるかわからない。だから、その姿 が目に入ると、それこそコンマ何秒で反応し、走り出す。そんな子ども時代を送っていたから、今でも、瞬発力には自信がある。

いぶ(3)勉強法にも書いたけれど、1秒で集中してトップスピードに行けるようでなくてはならない。何とかの準備をして、段取りをしてとか、そんなことでは間に合わない。それは、たとえていえば、武術の心得のようなものである。

いぶ(5)あなたが坂本龍馬だとして、新撰組が突然襲撃してきた時に、「ちょっと待ってくれ、今準備するから」などとは言えない。瞬時に反応して、トップ スピードに行かなければ、間に合わない。そんなことは 日本人にとっては常識だったはずなのが、いつの間にかわすれてしまった。

いぶ(6)今、日本の講演会とか会議とかに行くと、肩書きかどうだとか、本日はお日柄もよくだとか、具にもつかないことをだらだら並べて、一向に本題に入 らない。あの弛緩した空気が、日本人の精神力を衰えさせている。段取りとか、根回しとか、そんなくだらないものは吹き飛ばしてしまえ。

いぶ(6)だいたい、日本人は自分たちを何だと思っているんだろう。段取りや根回し、肩書きや組織がなくては何もできないような、そんな下らない人間たち じゃ、オレ達はないよ。はっと思ったら、一秒で集中して、トップスピードで走り出す。それが、オレ達のやり方だったはずだ。

いぶ(7)最近では、むしろ外国の方が、一瞬にしてトップスピードに入るやり方を実践している。例えば、TEDのトーク。一秒目から飛ばして、伝えるべき もっとも熱いメッセージを送り出す。あれって、本当は、オレ達のやり方だったはずなのに、すっかり忘れてしまっているね。

いぶ(8)お役所の、あのまわりくどい、何を言っているかわからないあの弛緩した雰囲気は、一体何なのだろう。政策自体には賛否両論あれど、橋本徹さんの スピード感には学んだ方がいい。小学校の集会だって、来賓の挨拶とか、要らないだろう。来賓が坂本龍馬だったらいいけどさ。

いぶ(9)私の読みでは、日本はいよいよ売る者がなくなって没落していくから、ふたたび、一秒で集中してトップスピードに入る、そんなやり方が復活すると 思う。だって、そうじゃなくては生きていけないからね。そして、それは私たちの祖先のやり方でもあった。ただ、思い出せばいいんだよ。

※ ここに掲載している内容は茂木健一郎さん(@kenichiromogi)のTwitterからの転載です。