2012年4月13日金曜日

東アジア情勢を見ると、アメリカを大切にするしかない

ひあ(1)昨日、ミサイル発射の警戒の中、仕事をしながら情報を手に入れようと滞在中のアリゾナ州ツーソンのホテルから、ニコ生につないだ。朝鮮中央テレ ビの放送をそのまま流していた。かつて、小学校の頃、モスクワ放送を聞いていたのを思い出して、独特の懐かしさがあった。

ひあ(2)朝鮮中央テレビというと、絶叫調のアナウンサーのニュースがすぐに思い浮かぶが、その他の番組は実は全く知らなかった。それが、ニコ生が流して くれたおかげで、軍人たちが出てくる妙なドラマを見ることができた。言葉はまったくワカラナイニダだけど、雰囲気は伝わってきた。

ひあ(3)それが、妙に惹きつけられる画面で、解析をしながら見入ってしまった。弾幕のコメントも盛り上がる。俳優から、なんとも言えない人間味がしみ出 してくる。思うに、イデオロギーが支配する独裁国家においても、生身の人間というものは、必ず肉体性を持ってしまうものなのだろう。

ひあ(4)北朝鮮の政体については同情の余地は全くないが、そこに住む生身の人間たちには、同情を禁じ得ない。この度のミサイル失敗でも、責任をとらされ る人たちがいるのだろう。ミサイル技術は難しいし、抑圧は決してよい結果をもたらさないが、そんなことが通じる相手だったら独裁などしていない。

ひあ(5)朝鮮中央テレビの妙に生々しいドラマを見たあと、眠ろうと横になっていたら、北朝鮮の政体 移行でどんなシナリオがあり得るのかと気になった。核兵器を持った国の政体移行には、独特の難しさ、リスクがある。そのあたりを、アメリカのインテリジェ ンスはどう考えているのか。

ひあ(6)核保有国が政体移行した例としてソ連からロシアがあるが、あの時もさまざまなリスクがあったはずだ。北朝鮮の崩壊に伴うリスクは、それと比べも のにならないくらい大きい。だから、イラクなどでは強制的な政体崩壊を迫ったアメリカも、北朝鮮に対しては慎重にならざるを得ない。

ひあ(7)それにしても、東アジアは、冷戦時代の「化石」のような北朝鮮がそのまま残り、中国は経済発展にもかかわらず特殊な政体を保ったままである。これからはアジアの時代だとは言われながら、地政学的なリスク要因は大きい。そんな地域に、私たちの国、日本はある。

ひあ(8)アジアにおいて、経済発展と民主化を遂げた国と言えば、日本、韓国、台湾がある。この三国がアジアの未来における希望である。そして、考えてみ ると、これらのどの国の歴史においても、アメリカの影響が決定的に重要であった。離れてアメリカからアジアを見ると、そのことが、実感される。

ひあ(9)第二次大戦中、戦後のさまざまがあっても、東アジア情勢を冷静に見れば、日本はアメリカを大切にするしかない。今回のミサイル発射も、独自の情 報網、技術では対応できなかった。アメリカとの同盟関係を軸に、東アジア情勢に向き合うしかない。とりあえず私はアメリカのビールを飲む。