2012年4月26日木曜日

ぼうっとしていると、忘れかけていた自分の夢に出会うことができる

ぼわ(1)来週は大型連休である。私のように、休みがない! という人もいれば、まとめてとれる人もいるだろう。そこで、休み方のささやかなヒントのようなものを記して、本日の連続ツイートとしたい。みんな、ゴールデンウィーク、楽しみかっ!

ぼわ(2)学生の頃、お金などなかったから、懸賞論文にたくさん当選して、活動資金をかせいでいた。ある時、やっぱり当選して、バリ島へのバカンス旅行みたいなのに行くことになった。目的地は、地中海クラブ。フランスを拠点とする、世界各地にバカンス村がある組織である。

ぼわ(3)ぼくたちの日程は5泊6日とかだったけれど、フランス人などは二週間とか滞在するのだという。ひええ、と思いながら、プールに入ったり、卓球をしたりしていた。それからビールを飲んで、部屋でうとうと眠ったりして、怠惰な時間を過ごして、三日くらい経ったときのことである。

ぼわ(4)当時は学生だから、今ほど忙しいはずもないが、ぼくはがちゃがちゃしているから、あっちこっち動き回っていたのだろう。それが、バカンスということで、だらだらぐたぐたしていたら、三日目くらいに、ぼくの内面に驚くべき変化が起こり始めたのだ。

ぼわ(5)心の底の方が、なんだか、石炭でも燃やしているようにかっかしはじめた。それから、その活性が、じわじわと心の毛細管現象で上がってきた。そして、ぼくは、大切なことを思い出したのである。少年の頃から抱いていた、もっとも純粋な夢。命のようにかけがえのない夢が、蘇ってきたのだ。

ぼわ(6)思うに、当時のぼくはすでに世間にまみれ、日常に追われ、考え方が次第に実際的で、刹那的になっていたのだろう。夢と言っても、そんなものはどうせ実現できない、くらいに思い始めていたのではなかったか。それが、バリ島の地中海クラブで寝転がっていたら、蘇ってきて驚いた。

ぼわ(7)偶然の幸運に出会うセレンディピティは、外から来るとは限らない。自分の内側に、忘れかけているセレンディピティの種がある。それが日常の雑事の下に埋もれてしまっているのである。ゆったりとした時間を過ごして、自分自身の内面とやわらかく向き合って、初めてわかる。

ぼわ(8)プールサイドのチェアにだらしなくべたーっと寝転んで、水面にきらめく光を見つめながら、ぼくは、まだこの夢はオレの中で生きていたのか、とその事実に感動した。そして、ふだんの自分を反省した。生まれ変わったような気分だった。実際、その日を境に、ぼくは生まれ変わったと思う。

ぼわ(9)日常の忙しい時間から離れて、少しまとまった、ゆったりとした時間を過ごすことの効用。それがバカンスなのだな。バカンスは、忘れかけていた自分の夢と再会するためにある。このゴールデンウィークは、ぜひ自分との出会いを。ロマンティックな考え方かもしれないけど、ほんとうのことです。