2012年4月1日日曜日

他の人と、違うことをすると活性化する脳回路の発見について

ほち(1)周知のように、前頭葉にはミラーニューロンがある。自分がある動作をしていても、他人が同じ動作をするのを見ていても活動する。以前から、他人の心を読み取る「心の理論」を支えることはわかっていたが、最近になって、感情と結びついた新しい機能を果たしていることが報告された。

ほち(2)すなわち、ミラーニューロンが、「安心」の感情と深く結びついていることがわかったのである。他人と自分が同じ行動をとっていると安心する。鏡に映したように、世間と自分の価値観が一致していると安心する。そんな働きを、ミラーニューロンが果たしていることがわかった。

ほち(3)ミラーニューロンの「安心」作用を国際的に比較した研究によると、日本人はとくに自他一致の際の活動が高いことがわかった。赤信号は通常「警告ニューロン」の活動を引き出すが、みんなで渡っていると、この警告ニューロンの活動が、ミラーニューロンによって抑制されることもわかった。

ほち(4)自分と他人が同じことをしているとほっとするミラーニューロンの「安心作用」には、個人差が大きい。一部の被験者では、違うことをやっていると発火する「警告ニューロン」の活動が低い。それどころか、むしろ他人と違うことをやっていないと不安になるという、希なケースもある。

ほち(5)米国の裁判所で、審判員の評決において11対1で反対し、昼食に他の人がみなチーズバーガーを頼んだのに一人だけフィレオフィシュを頼んだ被験者の脳を調べたところ、他人と違う行動をとった時にだけ、活動する神経細胞が見つかった。この被験者は、違う行動をとらないと満足しないのだ。

ほち(6)最近の研究によると、相対性理論を発表した当時のアルベルト・アインシュタインの行動には、「逆転ミラーニューロン」で説明できる点が多い。時間や空間について、世間と同じ認識をしているとむしろ安心できず、わざと違うことを考える、天の邪鬼な特性の記録が残っているのである。

ほち(7)アインシュタインは、高校をドロップアウトして、無国籍となってヨーロッパを放浪していた。教授を敬称で呼ばずに恨まれて、同級生の中で唯一職をもらえず干された。他人と違う行動をとることが報酬となる「逆転ミラーニューロン」の活動の結果と推定される。

ほち(8)文部科学省は、このような研究を受けて、「他の人と違うことをする」ことを評価する新教育指導要領の作成に着手した。評価する教員の側の基準もまちまちであり、文科省の指導に従うと、降格される。また、教科書検定において、指導要領外の内容があると花まるをつける運用を始めた。

ほち(9)他人と同じだと安心する脳と、違うことを報酬と感じる脳の差は、背外側前頭前皮質の近傍にある「逆転回路」の作用によってもたらされる。文科省は、今年度から、逆転回路を刺激する装置を各学校に配置することを決め、文部科学大臣室と、東京都教育委員会にはすでに配置を完了した。