2011年9月21日水曜日

「日本人が偶有性の新文明に不適応であること」についての連続ツイート

にぐ(1)新卒一括採用は、世界を覆う新しい文明への日本の不適応の象徴である。人はみな違って良い。キャリア形成は、それぞれのリズムでやっていい。非典型的な履歴の中にこそ、独創の芽がある。そんな簡単なことがわからないから、ていたらくとなる。失われた20年は当たり前。

にぐ(2)インターネットが、文明の文法を根底から変えてしまった。「偶有性」こそがその本質。youtubeのようなサービスを日本企業はつくれない。コンプライアンスがどうのこうのとできそこないの人工知能のようなことを言っているから。1年で2000億になる企業価値をつくれない。

にぐ(3)ある日本企業とユーザー参加のウェブサービスを作ったとき、心底呆れたことがある。ユーザーの投稿を、いちいち人手で「事前審査」してから公開するのだという。問題があるマテリアルがあれば、後から削除すればいいというyoutube流best effortを理解できない。

にぐ(4)日本の大学入試も、偶有性というものを根底から理解していない。相も変わらずのペーパーテストで、「うちは厳密にやっています」。点数主義の入試判定など、人工知能でもできる。ハーバードのように面接 重視すれば、偏差値的フィルターはかからないが、そもそも点数などその程度のこと。

にぐ(5)日本の法体系が、条文主義であるという愚も大きい。英米法的カモンローの精神を理解していれば、重箱の隅をつつくような思考に陥りにくい。著作権における「フェアユース」とは何か、時代に合わせて柔軟に適応できる。日本の法律家はできそこないの人工知能だ。

にぐ(6)この話題を書いていると、ついつい言葉がラップになるけど、それだけ日本の現状に対する不満、怒りがある。ネット・サービスではアメリカにやられっぱなし。国内でどうでもいい形式的なことをああだこうだ言っている。マスコミはネットを敵対視。自分たちの古ぼけた唄を歌っている。

にぐ(7)ホリエモンがメルマガで書いているけどね。古新聞が時々思いだしたように書き立てる「大学の不正経理」って、予算の単年度主義とか、カフカ的形式主義が本当の問題なのに、人工知能が生命を殺している。あんなのはジャーナリズムじゃなくて、自分の愚劣さの広告さ。

にぐ(8)悔しいね。日本人って、そんなにバカなのかな? そんなことないだろう。俺たちの祖先って、偉大なことをしてきたじゃないか。安土桃山の美術は素晴らしいし、明治維新だって。なんでバカな人工知能、ちんけな秀才どもが牛耳る国になったのかね。このまま国が沈んでいいのか?

にぐ(9)一年以内に、新卒一括採用廃止、著作権法根本改訂、連帯保証人制度廃止、大学秋入学、大学入試にTOEFL採用(TOEICじゃねえぜ)、電子教科書導入、教科書検定廃止、予算の単年度主義廃止。記者クラブ解散。それくらいのスピード感は、俺たちは本来持っているはずだ。

※ ここに掲載している内容は茂木健一郎さん(@kenichiromogi)のTwitterからの転載です。