2011年11月2日水曜日

「そもそもなんでそうなっているの、という疑問に、情報関連技術が具体的なソリューションを与えてくれる時代」の連続ツイート

そじ(1)どうも、ぼくは子どものころから世の中の秩序や制度をそのまま受け入れることができなくて、「どうしてそうなっているの?」と疑問を呈するタイプだったように思う。小学校のときに、アライテツヤに砂場に呼び出された時もそうだった。

そじ(2)アライテツヤは、「けんちゃん、中学に行くと勉強たいへんだぞ。クラスで一番だと○○高校、学年で一番だと○○高校に行けるけど、けんちゃんは どうかな。」未だに、アライテツヤがなぜ砂場に呼び出す気になったのか、わからないが、その時、とても不思議な気持ちがした。

そじ(3)そもそも、なぜ成績によって、違う学校に行かなければならないのか、それがわからなかった。だって、みんなで一緒に勉強すればいいじゃん、と 思った。ぼくは、結局三年間学年トップで、東京学芸大学附属高校に行ったけど(自慢しているわけじゃないよ!)その時の疑問が 鮮烈に残る。

そじ(4)中学の時、Sがぐれて、体育館の裏で煙草を吸って、紙くずや枯れ草に火をつけていた。焦がす程度だったけど。きっと、イライラしていたんだろうなあ。そのSが、卒業してしばらく経って、消防士になったと 聞いて、首尾一貫したやつだなあ、と思った。

そじ(5)Sがイライラしていた理由はわかる。勉強があまり得意じゃなかったから、自分の将来に不安を感じていたんだろう。ぼくは、その時も、自分がいわ ゆる進学校に行って、Sと離れることに、素朴な疑問を持っていた。なんで、そうやって「選別」しなくちゃいけないんだよ、と思っていた。

そじ(6)学者がテレビに出るなとか、いろいろ言う人がいるけど、ぼくがどんな現場でもその文脈の中で全力を尽くすのは、あの頃の原体験があるような気がしてならない。人々が世界の中でばらばらになっていく、その感覚が耐えられないのだろう。

そじ(7)そもそも、大学になぜ入試があるのか、どうして、学歴で人を判断する人がいるのか、いろいろ、根源的な問題意識と文句を抱いていた子どもから青 年時代の私だったが、この頃ふと気付いてみると、なんのことはない、ITが「もう一つの」ソリューションを提供している。

そじ(8)「有名大学」が入試とやらで入れてくれないんだったら、ネットで勝手に勉強すればいい。Sとばらばらになるんだったら、ネットでつながればい い。物理的な制約のある大学と違って、ネット大学に定員なんかない。「そもそもなんで?」という疑問に、テクノロジーで解が与えられる。

そじ(9)だから、ぼくは、近頃とても楽観的になっている。メディアや就職や教育の「そもそもなんで?」という不条理に、テクノロジーが解を与えてくれると思っているから。少なくとも努力はできる。ダメなものをダメと言っているより、少しでも建設する方が、きっと楽しい。

※ ここに掲載している内容は茂木健一郎さん(@kenichiromogi)のTwitterからの転載です。